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黒色メッキの種類とは?危険性についても解説

2023年02月07日

黒色はシンプルですが、重厚感がありモダンな魅力があります。
メッキ処理技術でも採用している色です。
見た目が美しいために使用している場合だけでなく、さまざまな理由で黒色のメッキを選んでいる場合もあります。

同じ黒色のメッキでも、さまざまな種類があるのをご存知でしょうか。
本記事では黒色メッキの種類をご紹介します。
さらに、黒色メッキの危険性についても解説します。
最後までお読みになり、黒色メッキを使う際の参考にしてください。

 
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黒色メッキの種類とは?危険性についても解説

黒化処理のメッキ技術

どのメッキ技術を使うか判断する際に、決め手の一つとなるのが「色」でしょう。
基材を黒色にする表面処理技術を「黒化処理(こっかしょり)」と呼びます。
黒化処理のメッキ技術は、以下のような特徴があります。

● 低反射性
● 耐久性
● 紫外線やアウトガスが発生しない

黒化処理されたものは、表面が黒色であるので光を吸収し反射を抑える光学的な機能を持ちます。
そのため黒化処理される目的は反射防止が最も多く、デジタルカメラやプロジェクターなどの光学部品に多く利用されているのです。

耐久性に関しては耐食性と耐熱性が向上します。
メッキのようにはがれを防止し、強度が上がります。
耐熱性能は高熱での作業を要する機械の部品として使用可能です。

黒染めとの違い

「黒染め」と呼ばれる技術もあります。
黒染めとは、鉄の表面をアルカリ処理して、化学反応により黒くする方法です。
簡単に言うと、鉄の表面を錆びさせて黒くします。
名前から黒く染めたように思われますがそうではありません。

光沢性や見た目のよい黒色ではがれにくいため性能としては申し分ないでしょう。
ただ、黒染めはメッキよりも薄いため、耐久性が低いのが特徴です。
傷がつくと錆びてしまうため注意が必要となります。

 

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黒色メッキの代表的な4種類

単純に黒色メッキと言っても、加工に使うものによってさまざまな種類があります。
その中でも代表的な以下の4種類について説明します。

● クロムを使用した場合
● ニッケルを使用した場合
● 無電解Niを使用した場合
● 亜鉛を使用した場合

用途や求める色合い、機能によって選択しましょう。

1. 【メッキの種類】クロムを使用した場合

クロムを使用したものを「黒色クロムメッキ」と言います。
黒色クロム皮膜を金属の表面に付着させてできるものであり、耐食性と同時に反射防止、耐熱性を備えたメッキです。

クロム含有量は約50%~80%で硬度はニッケルと同様ですが、特殊な触媒の作用から、真っ黒な漆黒調のメッキが特徴的です。
光学機器や自動車、オートバイの部品等に幅広く利用されています。

2. 【メッキの種類】ニッケルを使用した場合

ニッケルを使用したものを「黒色ニッケルメッキ」と言います。
ニッケルメッキに黒色亜鉛ニッケルの合金を薄く延ばしてニスやラッカーを塗り、加工したものです。

被膜の厚さは2μm以下ですが、耐久性があまり高くないのが特徴です。
いわゆる「ガンメタリック」と呼ばれる重厚な光沢のある濃いグレー色をしています。
安価で金属光沢感のあるメッキに仕上がるため、眼鏡等の装飾用として使用されています。

3. 【メッキの種類】無電解Niを使用した場合

無電解Niを使用したものを「黒色無電解Niメッキ」と言います。
生成する際、電気を水溶液に流さずに、化学反応によって皮膜を付着させるものです。
メッキ後に酸化処理を行い皮膜を黒色化します。

耐食性はやや落ちるものの、複雑な形状の素材にも均一なメッキを施すのが可能であり、精密さが求められる機械部品や樹皮製品等に利用されています。
また、有毒性はないため環境にやさしいメッキですが、加熱すると青色に変色するのが特徴です。

4. 【メッキの種類】亜鉛を使用した場合

亜鉛を使用したものを「黒色亜鉛メッキ」と言います。
亜鉛をメッキした後処理として、「黒クロメート」と呼ばれる化成処理を行い、黒色を出す手法であり「亜鉛黒色クロームメッキ」と呼ばれる場合もあります。
外観は美しい漆黒で、代表的な防錆メッキ法として広範囲で利用されている手法です。

黒化処理工程での危険性や問題点

多くの製品に活用されている黒化処理ですが、環境面での課題を抱えています。
黒化処理の中には、六価クロムを含むメッキ加工があります。
六価クロムとは、クロムの中でも酸化数が+6のものを言い、第二種特定有害物質の一つです。

強い毒性を持ち、環境や人体に悪影響を及ぼすとして規制対象となっています。
六価クロムの環境と人体に及ぼす影響について理解しましょう。

環境に及ぼす影響

六価クロムを利用した黒化処理で出た廃液は、高濃度のクロムイオンを含んでおり、誤った処理をして環境汚染を引き起こす可能性があります。
また、六価クロムは多段洗浄を行っても除去は困難であり、粉末になって飛散したり地下水を汚染したりする環境汚染につながる点が危険です。

さらに、黒化処理をする企業や従業員が、六価クロムへの知識不足から毒性を理解せずに誤った処理をすると、環境汚染を行う可能性も否定できません。
過去には以下のような六価クロム検出事例も発生しています。

2000年 三菱マテリアル総合研究所敷地内より基準値の12.4倍の六価クロムが検出
2007年 千葉市稲毛区の市営住宅建替え現場において、地盤改良後に基準値の3倍の六価クロムが検出
2011年 日本化学工業跡地に建設されたマンション及び公園にて、当時処理されたとされていた六価クロムが再び公園のインターロッキング表面に溶出

人体に及ぼす影響

六価クロムは非常に細かい粒子であり、溶液に触れたり吸い込んだ状態を放置したりすると、皮膚や粘膜に炎症を引き起こします。
また、消化器系にも影響を及ぼし、長期的に消化器系のガンの原因です。
そのため発癌性物質として登録されています。

ニッケルアレルギー反応がある方や、金属アレルギーのある方は注意が必要です。

メッキに多い質問3選

ここまでメッキについて説明してきましたが、「こういうものにメッキはできるんだろうか?」と疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
メッキに関して特に多い以下の3つの質問を紹介します。

● 車両のエンブレムに使用できますか?
● アクセサリーなどの細かなものに使用できますか?
● 半導体にもメッキ可能ですか?

Q1.車両のエンブレムに使用できますか?

車両のエンブレムは通常プラスチックでできています。
この場合は、「蒸着」と呼ばれる金属や酸化物等を蒸発させて処理する方法で、金色や銀色にメッキ加工が可能です。

ただし、メッキの上にコーティング加工されているエンブレムにはできません。
コーティングを取ってから加工します。

Q2.アクセサリーなどの細かなものに使用できますか?

細かなものへのメッキは、フェルトをナナメにカットするなどして、細くすると使用できます。
ただし、メッキがほかの箇所につきそうなときは、テープでマスキングしたり、マニキュアを塗ったりしてメッキがつくのを防止してください。

Q3.半導体にもメッキ可能でしょうか?

基本的に電気が通るものであればメッキが可能です。
半導体は導体と絶縁体の中間に位置するもので、電気を通しますのでメッキ可能となります。

まとめ

本記事は黒メッキの特徴と種類について紹介しました。
黒メッキにはさまざまな種類があり、特徴もそれぞれ異なるため、用途に併せて長所を生かし、短所を補う使い方がされています。

本記事で黒色メッキについて知識を得て、黒色メッキを活用する際の助けになれば幸いです。

 

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