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真鍮とメッキの違いは?メッキ加工するときの注意点を解説!
2023年02月08日
真鍮(しんちゅう)は、熱によりさまざまな形に加工ができる金属です。
指輪・イヤリング・インテリア用品などで多用しています。
「真鍮は知っているけどメッキと何が違うの」と思う方も多いのではないでしょうか。
具体的には、数ある加工手段のうちの1つで、メリットやデメリットがあります。
そこで今回はメリットとデメリットのほか、加工手段の違いと注意点まで解説します。
本記事を読めば真鍮とメッキについて理解が深まりますので、ぜひ最後まで読んでください。
目次
真鍮とメッキの違いとは?真鍮は金属・メッキは加工手段の1つ
真鍮は、銅と亜鉛を混合した金属素材です。
そしてメッキは、金属の表面に別の金属を薄くコーティングする技術のことをさします。
『メッキがはがれる』この言葉をご存じでしょうか。
金属のまわりに付いていた金や銀がはがれ、ニセモノだと発覚するところからきています。
一方、真鍮はニセモノではなく純粋な金属。
混同されがちですが、まったく違うものです。
真鍮をメッキ加工するメリット・デメリット
基本的に真鍮などの金属は、経年劣化により輝きがなくなりますが、メッキで加工をすれば輝きを維持できます。
輝きを維持するメリットとは反対にデメリットもあるので見ていきましょう。
デメリット3つの理由
真鍮をメッキ加工するデメリットは以下の3つです。
● 色あせた場合は再加工が必要
● はがれやすい
● メンテナンスが必要
1つずつ詳しく説明していきます。
色あせた場合は再加工が必要
色あせたメッキは上塗り加工ができません。
一度メッキをはがす作業が発生するため、手間と時間がかかります。
再加工が必要な点は作業工程が増加し手間もかかりますので、メッキ加工のデメリットです。
はがれやすい
デメリットの2つ目は、はがれやすい点です。具体的にはメッキ加工の指輪が肌にふれたり、洗い物や洗濯で水にぬれたりするとメッキがはがれていきます。
着用すれば『はがれやすくなる』点は十分なデメリットです。
メンテナンスが必要
メッキ加工は先述したとおり、はがれやすい特徴があります。
よってメッキを長持ちさせるなら、こまめなメンテナンスが必要です。
こまめなメンテナンスが面倒と感じる方にはデメリットです。
メリット3つの理由
真鍮をメッキ加工するメリットは下記の3つです。
● 見た目の印象を変える
● リーズナブルな価格
● アレルギーから身を守る
1つずつ中身を説明していきます。
見た目の印象を変える
メッキ加工の一番の特徴といえば見た目の印象を変化させる点です。
どのようなモノでもメッキで加工すればガラッと印象が変わります。
例えば、真鍮に金のメッキで加工すれば輝きのあるゴールドが誕生します。
加工による見た目の色や輝きも変化する点は、最大のメリットです。
リーズナブルな価格
本物の金や銀は高価でなかなか手が出にくいモノです。
メッキで加工すれば手ごろな価格で本物と変わらないクオリティが実現します。
見た目の色や輝きを損なわずに、リーズナブルな値段で市場に流通している点もメリットの理由です。
金属アレルギーから身を守る
メッキ加工すれば、金属アレルギーから身を守れます。
金属アレルギーの原因である『金属イオン』が発生しないようにできるからです。
指輪やピアスをしたいけど金属アレルギーだから、と悩んでいる方は、メッキ加工も検討してみましょう。
真鍮をメッキ加工する際の注意点
目的に合わせて、色々な方法で加工できる特徴があります。
加工する前には、いくつかの注意点があり、気をつけなければなりません。
アルカリ焼け
真鍮をアルカリ溶液の中に長時間入れた際、表面が変色する現象をいいます。
変色した状態でメッキを加工すれば、はがれやすくなる欠点が出てきます。
よって、メッキを加工する前は『アルカリ焼け』に注意が必要です。
エッチング
加工する前の洗浄作業で起きる『腐食』をいいます。
気づかずそのまま加工すると、下記の問題が発生します。
● 密着不足
● はがれやすい
洗浄作業では多くの酸が使用され、真鍮に含まれる銅と相性が悪く、腐食しやすい原因です。
ストライクメッキ
真鍮とメッキの密着度を高めるために必要な、下地を作る加工をいいます。
真鍮はサビにくい素材ですが酸化被膜が発生します。
酸化皮膜に覆われるとメッキが密着しなくなり、はがれの原因になってしまうのです。
酸化被膜への対策として、銅・ニッケルでストライクメッキ処理を行います。
まとめ
今回は真鍮とメッキの違いや、メリット・デメリット、実際に加工する際の注意点を解説しました。
本記事を読み、真鍮とメッキについて理解が深まったのではないでしょうか。
真鍮は指輪やピアスなどにも多く使われる人気の素材です。
真鍮は手に入りやすい金属素材として、多くの方に重宝されています。
処理方法や組み合わせ、特性も幅広いのが特徴です。
これから、メッキの加工にチャレンジしたい、自分でメンテナンスする方は、ぜひ本記事を参考にしてください。